Reality~偽りの歌姫~《完》
麗は驚いた顔で俺を見上げた。

俺の顔色を(うかが)うかのような視線がまっすぐ送られてきたが……

唇をきつく噛みしめ、何も答えようとはしない。



俺は、本人が口を割ってくれるのを期待していた。

実力行使という手段もあるが、さすがに着衣に手をかけるわけにはいかない。



麗の両手を押さえつけたまま、あいつの様子を観察していた。
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