Reality~偽りの歌姫~《完》
「遼さん、この記事本当ですか?」

目の前に差し出された雑誌をのぞき込む。

舞も、俺と同じ週刊誌を手にしていた。



「いや……俺も詳しいことは聞いてない。こんな話……誰が勝手に決めたんだ」

麗は、いつから決めていたのだろう。

これは、本当にあいつが望んでいることなのだろうか。



ずっと側にいて、誰よりも麗のことは理解しているつもりだった。

けれど、肝心なことはいつも一人で決めてしまう。



俺は、あいつの力になることができなかった。



やるせない思いがこみ上げる。

俺自身に対しても、一方的な事務所のやり方に対しても……



「麗さんは、どこにいるかご存知ですか?」
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