Reality~偽りの歌姫~《完》
「お前がいないと、Streamじゃないだろ」

麗の(あご)に指をかけ、上に向かせる。

「もう泣くな」

そう言って、涙をぬぐい麗の頬にキスをした。

動揺して俺から離れようとする麗。



「遼、何する……!?」

麗の言葉を(さえぎ)って、あいつの唇をふさいだ。



「やっ……」

俺の体を押しのけようとタオルから麗の手が離れた瞬間、俺はそのタオルを引きはがした。

麗に抵抗の言葉を言わせないように、さらに深く口づける。



「俺はずっと前から……お前のことが好きだった」

あいつの目をまっすぐ見つめ、この言葉を告げた。

麗はまだ言葉の意味が理解できなていない様子で、複雑な表情を浮かべている。

その体からは、不思議と抵抗する力が抜けていた。
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