Reality~偽りの歌姫~《完》
三人で事務所の本社へ向かう。

麗も、決意は固まっているようだ。



俺はこれまで何度か社長に意見することはあったが、麗が桜井に反抗するのを見たことはない。



あの女社長の力は、うちの事務所では絶対的なものなのだ。

だが、今回ばかりはあの女に従うことはできない。

例え俺達全員が首になったとしても、麗だけを切り捨てるような真似はさせない。



社長室の分厚い扉の前に立つ。

二回ノックして、勢いよく扉を開いた。
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