Reality~偽りの歌姫~《完》
「麗が脱退するなんて話、俺は聞いてません」

「その話…?
麗と二人で決めたことよ」

まともに取り合う気がないのだろうか。

女社長は、俺の話に興味などないかのように書類へと視線を戻した。



「どうして麗が脱退する必要があるんですか?俺には納得できません」

書類を読みふけっている女社長に向かって、強い口調で言った。



「そのほうがいいでしょ。
麗のためにも……他のメンバーのためにもね」

こいつは、常に自分の意見が一番正しいと思い込んでいる。

他人の反論を許さない口ぶりが耳についた。
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