Reality~偽りの歌姫~《完》
麗の肩がビクッと反応する。
やはり俺は、こいつに触れてはいけなかった。
自業自得だ。
麗の肩から離れた手が、宙をさまよう。
「今日は楽しんで歌えばいいだろ。
俺達の初舞台だからな」
うつむき加減で、小さくうなづく麗。
俺が戻ろうと背を向けた時……
「遼!」
いつもの威勢のいい声が聞こえた。
「今日は頑張ろうぜ!」
そう言って、麗は親指を一本立てた。
やはり俺は、こいつに触れてはいけなかった。
自業自得だ。
麗の肩から離れた手が、宙をさまよう。
「今日は楽しんで歌えばいいだろ。
俺達の初舞台だからな」
うつむき加減で、小さくうなづく麗。
俺が戻ろうと背を向けた時……
「遼!」
いつもの威勢のいい声が聞こえた。
「今日は頑張ろうぜ!」
そう言って、麗は親指を一本立てた。