Reality~偽りの歌姫~《完》
パフォーマンスを終えると同時に、大きな拍手が巻き起こった。

久々に味わった緊張感と達成感……

やみつきになりそうだ。



ステージから降りると、麗が崩れ落ちた。

ステージの柱に寄りかかって、なんとかバランスをとっている。



こいつは一度アクセル全開になると、ブレーキをかけられないタイプらしい。

本番では気合いが入りすぎて、限界まで力を出しきってしまう。



「麗、よかったぞ」

肩で息をしている麗が顔を上げる。

目には溢れそうなほどの涙を溜め、なんとも言えない表情を浮かべていた。
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