Reality~偽りの歌姫~《完》
ステージを終えて、張りつめていた気持ちが緩んだのだろうか。

今まで麗が頑張ってきたのは、誰よりもよく知っている。



麗は手の甲で涙をぬぐい、少し照れたように笑った。



この瞬間、麗を抱きしめてしまいたい衝動に駆られた。

けれど、俺は前科ものだ……

気安く彼女に触れることはできなかった。
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