Reality~偽りの歌姫~《完》
「もうわがまま言わないから……遼と一緒にいたいの」

ジュリアの目からハラハラ涙がこぼれていた。



「ジュリ……」

ジュリアはうつむいたまま小さく(つぶや)いた。

「今日はごめん……
やっぱ……もう帰るね」



背を向けて、ドアノブに手をかけるジュリア。

ジュリアの震える背中を見て、いたたまれない気持ちになった。



「ジュリ、待てよ」

俺はジュリアを後ろから抱きしめた。
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