Reality~偽りの歌姫~《完》
「遼、あたしのこと嫌いにならないで……お願い……」

俺の腕の中で泣きじゃくるジュリア。

この姿を見て、ジュリアに同情したのだろうか。

それとも、これほど一途に想ってくれる女を可愛いと思ってしまったのだろうか。



「もう泣くな」

ジュリアの顔を俺のほうに向かせ、その唇にキスをした。

まだ涙を止めることができないジュリアの唇は、微かに震えていた。
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