Reality~偽りの歌姫~《完》
「ジュリ、おいで」

頬をつたう涙を指先で(ぬぐ)い、彼女の手をひいた。

ジュリアは何も言わずに俺の後をついてくる。



ジュリアをベッドに座らせ、両手で彼女を抱きしめた。



「遼……大好きだよ」

赤く()れた目で俺を見上げる。

その瞬間、ジュリアを愛しいと思ったのは嘘じゃない。



ジュリアの唇を奪いながら、ベッドに押し倒した。
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