Reality~偽りの歌姫~《完》
「遼、どうしたの?」

洋服の隙間から細い指を忍び込ませるジュリア。

男の体を知りつくした指先が、じらしながら這っていく。



「ジュリ……待て」

その手をつかんで、体勢を変えた。

この女に、俺を自由にさせる気はない。

俺がこの女を自由にしてやる。



「遼……やっ」

俺の中で声を上げるジュリアを、どこか冷めた気持ちで眺めていた。
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