Reality~偽りの歌姫~《完》
「何でもない……」

麗は下を向いて、目を閉じてしまった。



「しょうがない奴だ」

手がかかる奴ほど可愛いと思ってしまう。

麗の肩をそっと抱き寄せた。



既に体の力が抜けている麗。

俺の胸に体を預けて、眠りにつこうとしている。

麗が女だと気づいていることも知らず、安心しきっているようだ。



「少しは警戒しろよ」

麗の黒髪に手を添え、彼女の寝顔にささやいた。
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