Reality~偽りの歌姫~《完》
俺の腕の中で眠る麗の頬に手を伸ばした。

わずかに開いた唇が、心地よさそうに寝息をたてている。



いつになったら、自分の気持ちを伝えることができるのだろうか。

好きな女を、こうして抱きしめていられるだけでも幸せだと思うべきだろうか。



無防備な寝顔を見つめながら、麗の唇を指先でなぞった。
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