Reality~偽りの歌姫~《完》
俺の車を見つけると、ジュリアは嬉しそうに手を振りながら駆け寄ってくる。



「遼ちゃん、ありがと~。愛してるよ~♪」

助手席に飛び乗り、俺に抱きつくジュリア。

たちの悪い酔っぱらいだ。



「ジュリ、車の中だからって、安心するな。外から丸見えだ」

俺にしがみつくジュリアを引きはがして助手席に座らせた。



「いいじゃん、別に」

唇をとがらせながら、懲りずに俺のほうに身を寄せてくる。
< 96 / 271 >

この作品をシェア

pagetop