もののけ姫に愛されて。。―番外編―
「疲れてるなら、止めよう…」

その律の無機質…とも取れる声に…、美結は現実に引き戻された…。。

「…あ…」
《いま、意識…朦朧としてた…っ?》

律の言葉に、美結は慌てて…

「大丈夫だからっ! ホントに…」

「大丈夫じゃないでしょ? そういうのは言ってくれないと…別に今日じゃなくても良かったんじゃないの?」

…と、その言葉とは裏腹の律の声…

完全に…、機嫌が悪い…。。

美結は、ガックリ…と、肩を落とし…

「…ごめんなさい…っ。」
《どうしよう…、怒ってるょ…

自分から、言い出したことなのに…っ

寝そう…になるなんて…、ほんと、逆の立場だったら、怒るよね?》


「あ、ごめん。言いすぎた…
そういう意味じゃなくて…」

と、律は、即座に…美結から視線を逸らした…

小さく、ため息をついた…

お互い、言葉を無くし…沈黙が続いた…


「……っ」
《気まずい…っ。。

どうしよう…、話した方がいいのかな?

眠れないってこと…》

美結は、意を決して…律にあのことを言うことにした…

「実は…、遊園地、行った後から…眠れなくて…。夢に…女の人が出てきて…」

美結の言葉に、律は、微かに動揺した…

美結の方に、視線を戻し…

「…どんな夢…っ?」

「あ…、綺麗なドレスを着た人が…、男の人と…『彼は、私のモノだから…』って…
それと…」
《なんか……、西園寺くん、動揺してる…?

どうしたんだろ?

なんか、いつもと違う……?》

美結は、その夢の内容を…、事細かに…わかる範囲で、律に話をした…

が。。

その途中から…、夜でもないのに…少しずつ、瞼が重くなり…急に、意識が遠のいた…


「っ三枝っ!」


「……っ」
《…声が…、

遠くで…聴こえた…っ》

美結の意識は、そこで途切れてしまっていた…


「……」
《本当に…

夢の中に入ってしまったかのように…



自分ではない…、誰かが…彼と話している…

彼は、いつも…こんな話し方をしない…、こんな険しい表情…、こんな声はしない…

あたしの知っている彼は……


でも、その瞳の奥には…、その話している相手としか、繋がれない絆…みたいなモノがある…って、分かった…


あたしには、入り込めない…。。》




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