もののけ姫に愛されて。。―番外編―
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その修学旅行は、初日から…ヒトではないモノの声に悩まされていた…

不思議…と、その時には、あの銀色の髪の女性の声は聴こえなかった…


美結は、その旅行中…、ずっと気分の不快を訴え…グループ行動もクラスでの見学も出来なくなっていた…

2日目の夜、フェリーでの移動となり、ようやく…身体を起こすことが出来るようになったくらいだ。。


そのフェリーに乗ったあと、デッキから夜の海を眺めている律と話をした…

「も、終わりにしよ…」

本当は、どうしようもないくらい…、好きだった…

それは、少しも変わらない。。


でも、ソレだけじゃ、どうにもならない…。。彼は…律は、美結が霊障に悩まされる度、身を呈して守ろうとする…、それは、自分を犠牲にしてでも…

が、それは、義務感からか…? 何なのか…?

美結には、分からなくなっていた…

「俺、三枝のこと、好きだよ…。それでもダメなの?」

その言葉に…、美結の瞳が揺らいだ…

ここに来て…、そんなことを言うとは、思わなかった…

「……っ」


美結の瞳に、涙の粒が浮かぶ…

やっと…、首を左右に振り…

「…ごめんなさい…」
《きっと、犠牲にする…。。

あたしが弱いから…、きっと…

あの夢みたいに…


でも、もぅ…怖くて。。

また、あんなことあったら…っ!》

美結の脳裏には、律が自分を犠牲にし…傷だらけになってまで守ろうとした…遊園地のアトラクションでの出来事が浮かんだ…


美結にとっては、遊園地での出来事は、夢の中の話だと思えたのだ…



その場を立ち去った…

船内への出入口のドアを開こうとした…

『これで、良かったの?』

そぅ、この修学旅行中…、聴こえなかったはずの彼女の声が聴こえた…

「……」

美結は、律の方を振り返る…

彼は、変わらず…夜の海を眺めている…

こんな時になって…、夢みたいなことを思い描いている…

と、思った…


「……っ」
《…追い掛けて…来て欲しい…

なんて。

そんなこと、起こるはずがないって分かっているのに…


それでも、追い掛けて…欲しかった…》


その瞳に、次から次へと…涙が溢れ出して…、止まらなかった…


『彼のこと、好きなのに…。馬鹿な子ね…』

そぅ、優しく…暖かい温もりを感じた…

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