もののけ姫に愛されて。。―番外編―
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一年後。。秋

「美結。なんかまた痩せたよね~?」

放課後の教室で。。

美結は、久しぶりに瑠奈と待ち合わせをしていた。

瑠奈に、いきなり言われ…その言葉に、美結は読んでいた本から顔を上げる…

美結は、律と試用期間前に別れ…一年が経っていた…

肩先で揺れていた髪も伸び…、背中に届きそうになっていた…

「そうかな~? 瑠奈ちゃんがそう言うなら…そうなのかな? 嬉しい…」

と、変わらない笑顔を見せる美結に…、瑠奈は複雑な心境だった…

高校3年のクラス替えで美結のみ違うクラスになってしまい、以前に比べ一緒にいる時間は減った…と、言ってもいい…

「アンタ、ちゃんと食べてる?」

「大丈夫だよ~。瑠奈ちゃん、心配しすぎ…」

ふふ…っと、笑う…

しかし、その表情は以前とは少し違う…

以前は、屈託なく…子供のようによく笑う…。。

が、いまは、そんな表情もする時もあるが…どちらかと言うと穏やかに大人っぼくなってきた…という表現に近い…

…それだけではなく。。

瑠奈の心配は、1年前に、美結が律と別れたということも信じられなかったが…、お互い気持ちがあるのに…というのが見て取れたからだ…

「なに、読んでるの?」

と、美結が読んでいたヨーロッパの旅行誌をのぞき込む…

「あ。。あのね…
ウチ、来年の春にお父さんの仕事関係で、イギリス行くみたいで~。」

予想外の美結の言葉に、瑠奈は両目を見開く…

「え? なに、それ?」

「あたしも…、行こうかなって。
ホントは、製菓の専門に行きたかったんだけど…そういうのは、向こうにもあるし…
1人で、こっちに残るのも…」

その美結の言葉に、瑠奈は今まで美結が黙っていたことや、律とのことが浮くんだ…

「アンタ、それでいいの?」

瑠奈にそう言われ…、美結の瞳に動揺が隠せない…

「西園寺くん…、このままでいいの?
まだ…好きなんじゃないの?」

「……っ」

「なんで、別れたのか…分からないけど。
彼が、軽い気持ちで付き合ってたんじゃないって、分かるでしょ?
そんなんで、海外なんて…それで、ホントに後悔しない?」

その言葉に、自然…と涙の粒が流れ…頬をつたい落ちた…

「…美結…っ」

瑠奈は、泣き出した美結の頭を軽く小突き…

「アンタって、馬鹿な子ね…」

「…瑠奈ちゃ…っ」
《それでも…、

どうしたら…、いいのか…分からない…っ


苦しくて…、解放されたくて…、手放したはずなのに…

いまの方が…、西園寺くんに【さよなら】をしようとした時より…

もっと、辛かった…


日増しに、強くなる想いは、どうしたら…消え失せることが出来るの……――?》

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