もののけ姫に愛されて。。―番外編―
その言葉は、まるで…美結自身にも言われているかのような感覚がしていた…

「そんな言い方って…」

律の目の前の女子生徒は、顔色が変わっていっている…

「まぁ…、付き合えないけどね?」

そぅ、言葉とは裏腹…な笑顔を向けた…

その、女子生徒は、泣きそうな表情を見せ…駆け足で逃げるようにかけて行く…

「悠斗、隠れて見てるなよ!」

律は、美結やその男子生徒の方を振り返ることなく…、その名を呼んだ…

その、律の声に…美結を引き止めていた男子生徒は、ため息混じりに…

「バレてた…っ。。」

苦笑いを浮かべていた…。

その、悠斗の方を振り返った律…。。

悠斗と一緒にいた美結の存在に、さ程、驚く様子もなく…律は、2人の近くまで近づいてくる…

美結のすぐ目の前まで来て…

「なに? 盗み見? いい趣味してるね?」

そぅ、突き放すような言い方をした律…


ショックだった…

好きになった人が…、あんな冷たい突き放し方をするのを目の前で見るのは…

「そんなんじゃない。ただ…、どんな言い方をしたら…その、相手が傷つくのか…考えたこと、あるのかな?って…
なんか、ショックで…」

「…はっ?」

「そういうの…、考えないの?
西園寺くんの一言で、きっと、あの人、傷ついてるよ…!」

そぅ…、今にも泣きそうな表情で、そう言い放った美結に、律は、その表情が一瞬変わった…

「考えたとこで、俺、そんな気ないし…。気持ちがないのに付き合う方が無駄じゃないの?」

「…そぅ…だけど。。」

しまいには…、泣きだしてしまっていた美結に、美結の傍にいた悠斗は…

「律、お前…言い過ぎ。彼女、関係ないでしょ?」

悠斗の言葉に、律は、軽く舌打ちを打ち…悠斗や美結の横を通り過ぎていく…

悠斗は、慌てて…律のあとを追いかけていく…

ひとり、残された美結…、涙が止まらなかった…



「律、あの子の言ってることは、間違ってないと思うよ。俺は…」

そう言う悠斗の言葉に…、

「アイツ、苦手…っ」

「お前なぁ…っ。
アレ、隣のクラスの三枝じゃん。いつも、練習見に来てる…っ。超可愛いのに…
あの子、関係ないじゃん。謝っておけよ~…」

「…知らない。興味ないから…」

「謝りなさいっ! あと、断るのも他に言い方もあるの…分かれよ?」

その悠斗の言葉に、律は、悠斗を睨みつけるかのような視線を向ける…




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