涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


うっ…


面食らって目を逸らす。

涼太にたいしてはすごく申し訳なく思ってるけど…ツルカピ先生にたいしては……正直まったくなにもない!!


そんなことを言ってしまえば説教が長引くことは知っている…空もそこまでバカではない…



「……してるしてる!!」



やけくそで二行ほどうめた用紙を見せつけた。



「ほんとかねぇ?!」

「ほっほんと!ほら!」

「こ、これは……」



先生はこの世のものとは思えない物を見たように目を丸くする。




「全部ひらがなじゃないかぁーー!!」

「え、だめなの?」

「だめにきまってるだろぅぅーっ、漢字を使いなさい漢字をーーっ」

「そんなんいつまでたっても終わんないじゃん」

「あるだろぅっ、とくにきみは反省することがやまほどぉーっ」

「……これでもしぼりだした」



またがみがみ叱られ、仕方なく用紙を机のうえに置く。


……そんな怒んなくたっていいじゃんか



「ね」



俯いている涼太に声をかけ、同意を求める。

それでも涼太は顔をあげない。


…ん?なんかぷるぷる震えてる……?

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