涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


お腹でも痛いのかと心配になり、ぐっと服の裾を掴んで引っ張った。

やっと顔をあげた涼太の顔を見てぎょっとする。

え……



「なんで、なんでえ、な、え?」



なんで泣いてんの?!


涼太はキュッと口をつぐみ、目を潤ませている。

驚きすぎて一瞬思考停止した。



「っ…ふはははっ」



しばらく見つめあった後に腹を抱えて笑われ、もっとポカンとする。



「なに笑ってるんだねぇ?!!」



涼太までまたツルカピ先生に叱られ、遅刻指導室は大騒ぎ。



「我慢してたけどもうムリムリ…っ…ね、おねがいだからふたりともやめて、おなかいたい」



笑うの我慢してたからプルプル震えてたのか…


足をバタバタさせて笑う涼太を見て、むっとする。


…なんだよ

涼太は空の味方だとおもってたのにぃ…



「…だって先生が」

「はいはい」



文句を言おうとしたら頭を撫でられ、肩がびくっとあがる。

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