涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
rain_レイン

放課後デート

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チッ…チッ…


いつもより速く感じる秒針と心臓のドキドキ。

平然を装い、隣人をみないように気をつける。

長いようで短い担任の終礼が終わり、みんなぞろぞろと席を立つ。

ついにその時が来た。


「青笑さん行こ」


名前を呼ばれ、ドキッと飛び跳ねる。

かばんを持ちそっと顔をあげると涼太はひょこっと覗き込んできて嬉しそうに笑った。


「放課後デート」


はぁ?!

聞き慣れない言葉にぼうっと熱くなる。


か、からかいやがってぇ……!!


なにか言い返してやろうと思ったけど、こんなところで体力を使うわけにはいかない。

なんたって今から


「うわぁこんな汚かったっけ」


面倒くさいプール掃除が待ってるんだから

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