涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
涼太は少し考えてから、やっぱり楽しそうに笑った。
「ふははっ」
「いや素直でいいなぁって」
…?
どういうこと?
分からなくて考えていると、涼太はもう堪えきれなくなったかのように、くしゃっと笑った。
「今日はずっと青笑さんの感情が爆発してておもしろい」
「プラス」
「まじうれしーっ」
そう言われてやっと気がつく。
「え。…声にでてた?」
「わりとぜんぶ」
…うそ
ぜんぜん気づかなった。
…そういえば気にしてない
話すとき、なんて答えたらって、いつもすごい考えちゃうのに。
ぜんぶって…いつから?
空なにいってた?
一気に恥ずかしさが込みあげてきて、涼太に背中を向けて床をブラシでこする。
まじうれしーってなんだよ…
なんで空が素直だと嬉しいんだよバカ
「……なんであゆこといったの?」
「ん?」
背中を向けたままの今なら聞ける気がした。
「…こ…、コクハクしてましたとか、その」