涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
空がいっぱい掃除して早く帰らせてあげよう。
「……それ以外は本当だけど」
気持ちを切り替えたあとに呟かれ、肩が小さくはねた。
なにが!?むりむり!!後ろ向けない!!
早く別の話題なんか言ってくれ
え待って、やっぱりなにもいわないで
どうすればいいの!?
その時少し遠くからりょうたとは別の声が聞こえて、振り向くとりょうたはその人と楽しそうに話している。
プール掃除に来ているのは私達だけじゃないから。
「……なんだよかった気のせいかな」
ひとり呟いて、掃除に取り掛かる。
焦ったり、ほっとしたり、寂しくなったり、心が痛いほど忙しい。