涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
「ぎゃははっおま、やめろっ」
いきなり騒がしい声がして、どんっと誰かとぶつかった
痛い。
振り向くとホースで水の掛け合いをしている男子達がいて、よけようとよろめきながら歩く。でもその先にもまた違う男子が水の掛け合いをしていて、
「ぅわ」
バシャッッ
おもいっきしかかった。
もぉ……冷たぁ
暑いから別にいいけどさぁ
そう思いながら濡れた箇所に目をやる。スカートは大丈夫だけど、上の服が透けていた。
えっどうしよっ
ま、まぁ誰も見てないし大丈夫だよね
パンパンと気持ちだけでも水を払っていると、後からふわっ何かに包みこまれる。
「んっ?」
振り返ると、りょうたが私を隠すように立って、自分が着替え用に持ってきたであろう体操服のジャージで包み隠すように肩に掛けてくれた。
「おまえらやったな……?おい待てや覚悟しとけよ」
見上げるとにっと笑ったりょうたがさっきの男子達を見ていて、私はその涼太がきらめいて見えた。
太陽のキラキラが光の粒を残す水面のように。