涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


弱々しい声が聞こえて顔をあげると、奏が気まずそうに目を逸らす。

頬が赤い。



「……あ」



いつからこんな体勢になってたんだろ。

揉めてるうちに奏の体の上にのっかってしまっていたらしい。

壁ドンのソファ版みたいだなと思い、一人で変なツボに入った。



「っ…ぐふふふっ…」

「デ」



奏が途中で口をつぐむ。



「で…?は?でぶ?おまえぶっとばすぞ」

「…っから、俺が言おうとしてたのは……デーっ…デーーッ」

「はーー?デブ??言ったな??」

「……ちげぇよ、空べつに太ってねぇし」


えっ……なにそれ嬉しいじゃん

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