涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


「…奏?…奏どしたの?…今日学校でなんか嫌なこととかあった?」



そっと背中に触れて寄り添う。

今日はとことん話を聞いてあげようと心に決めたとき、奏が勢いよく立ち上がった。



「……もう決めた」

「お……おぉ?」



…なにを?!



「ぜってぇ楽しませるから」

「明日のデート楽しみにしとけよっ」



バタンとドアがしまり、わけもわからないまま一人取り残される。



「え……え、」

「デートって……ほんとにそういうデート…」



ありえないと分かっていても、だんだん頬が熱をもつ。


いやいやいや、ないない


でもあれは…



『明日のデート楽しみにしとけよっ』



……まじの顔だった。


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