涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
肩に腕をまわされて、くるりと向きを変えられる。
そのままつられるように歩いた。
「考えた?なに食べたいか」
「……考えてない」
「考えとけよ、すきなもんだけ想像しとけ」
明るく言われて、素直に食べ物を思い浮かべる。
食べたいもの……プリン?
それと…プリン?
プリンとプリン
だめだプリンしかでてこない。
「それとなぁどこ行きたい?」
「えぇ、わかんない、そんな質問ばっかしないでよ」
そんな一度にたくさん考えられないよ。
奏はそんな空をみてご機嫌に笑う。
連行されるがままに電車にのってたどりついたのは…
「…どこ…ここ…なに…これ」
すごいめちゃくちゃキレイなカフェだ。
「童話とか絵本とかにでてくる森のなかにありそうなお店…」
妖精さんとかでてきてもおかしくないぞこれ。
「ちょ、ちょっと待って…やっぱ帰る?いったん帰る…?!」
さすがにびびる…!