涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
「ねぇ…空の格好へん…?だよね」
奏はこっちを見ようともせず、眉を下げて笑った。
「へんじゃねぇよ」
…見てないじゃん
その時なにかがキラリと光る。
「…あれ?そんなのつけてたっけ」
「どれ?」
吸い寄せられるように、それに手を伸ばした。
「これ」
人差し指でそっと触れてから親指でなぞる。
ダイヤの形。
…水色?
いや、青…?
真ん中にいけばいくほど色が濃い。
「……きれい」
だね、って視線をあげた。
目が合って、…あれ?
ずっと見ていられなくて逸らしてしまう。
「…あ、あぁ…!これな!!」
察した奏が空気を変えるように、耳を触りながら明るい声で言った。
「うっうん!!」
いつの間にか前のめりになっていた体勢をもどして激しく頷く。
…び、びっ…くりしたぁ
だって、
ーーあんなに動揺されると思ってなかった。
「………」
「………」
今まで奏といて沈黙なんて気にしたことなかったのに…なんか気まずい
そういえばこれ、デート…なんだっけ