涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


しかたなく中に入って……ぞっとした。


うっわーぁひっろぉーー


横長の机が何個も並んでて、ひとつに五人は使えそうなくらいおっきい。

前にはおっきいスクリーンがあって、……なんの授業するんだよ

ホームルームとしか書いてなかったから、なにすんのか全くわかんない。


……てか、なんか人多くない?



「……どこ、座ればいいんだろう」



入口でぽつり、ひとりで呟いた。



「あ、あ〜〜んんっ、そろそろ自分の席につけよ~」



スクリーンの前でマイクテストをしていた先生が、腕時計を確認しながら言った。

皆がぞろぞろと席につき、ぐわっと焦りが増していく。


えっちょ、ちょっとまってどうしよう

どこ?わかんない……どうしよう、どうしよ



「だいじょうぶですかっ?」



つんっと遠慮がちに腕をつつかれて、はっと後ろを振り向く。


……同級生……ですか


小さい童顔の女の子が、空を見あげている。

大きくて欄とした目が、ぱちくり瞬きしたのを見て、はっと我に返った。



「……あ……の、席どこか……わかんなくて」

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