涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


小さくても、今はこの子が頼れる救世主。

ドキドキしながら返事を待っていると、かばっと両手を包まれて驚いた。



「そうだったんですねっ」

「じゃぁ一緒にいきましょう!!」



ふにゃりと柔らかい笑顔は、ぽやぽやとお花が揺れてるみたい。

くんっと手を引かれて、自然と足が動いた。

教室にいなかったから、たぶん他クラスの子なのに……空が何組かとか知ってんだ。

転入生ってやっぱり噂広まるんだな……



「あれっ?」



かわいいその子は急に立ちどまり、こっちを振り返って首を傾げた。



「何組でしたっけ?」



……天然だ


ずっこけそうになるのをなんとか堪える。


知ってたんじゃなくて、ただ聞き忘れてただけなのね。

じゃぁいったいこの子はどこ目指して歩いてたんだろう。



「3組です」

「なるほど!うーんと……あっちです!」



……たどり着くかな


ふたつぐくりの髪が揺れる後ろ姿を見守りながら思う。


かわいいなぁ

髪の毛なんか編まれてて?おしゃれだし

声かわいいし

歩き方から仕草全てが愛らしいというか……

身長が低いのもいいなぁ女の子っぽくて。

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