涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


友達といるときも、先生と話すときも

……空と……だれと話すときもずっと。

目を閉じて寝るまで、ずっと。


だから……だからってわけじゃないけど、誰もずっと笑ってるわけないってそんなこと分かってるけど、ーー正直ほっとした。


ずっと消えない明かりを見ているみたいで、苦しかったから。


背中に触れようとして、やめた。

ちょうど頭上にある電気がついて、眩しいくらいに明るくなったから。



「おい」



いきなり怒ったような低い声が降ってきて、体がきゅっと縮こまる。

恐る恐る顔をあげると、見覚えのある顔が空……ではなく、りょうたを見おろしていた。


この人さっき、天然ちゃんにき、……キス……してた人じゃん……

遠くからでもなんとなく気づいてたけど……えげつないくらい美人……

すげぇー……イケメンとか全然興味ないけど、ここまで綺麗だとびっくりする

芸能人?



「おい起きろ」



起きなよ、りょうた。

すごい冷たい目してそっち見てるから。

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