涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


好きとかじゃない。


慣れないっていうか、なに考えてるのか分からないし、どう接していいかも分からないんだもん。


あぁ〜〜……こんなだから男に媚びてるとか言われんだぁ〜〜

……でも、空のこと心配してくれたんだよね……うれしい


それになんとなくこの人はイヤじゃない。

先生なのに先生らしくないっていうか。

なんか常識に囚われていない感というか……そういうところが、なんかいい。

前の学校にいた頃を思い出す。奏だって見た目はちゃらいけど中身はピュッピュアくんだし。

だから自然と警戒心みたいなものが、ふっとやわらいだ。



「先生やさしいんですね」

「ありがとうございます」



珍しくすんなり言葉が出たのに、なにかおかしなことを言ってしまっただろうか。

先生は目を丸くさせたあと、すぐにまた、にこっとわらった。


……気のせい


すっと先生の手が伸びてきたかと思えば、頭の上にのっかった。


えっ……



「なんでも先生に相談しなさい」

「話くらいいつでも聞いてやるから」

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