涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


「明日も来いよ」



そう言って頭を撫でる先生の笑顔に、なぜか鼻がツンとした。



「っはぁー……」



やっとちゃんと息ができたのは、先生が教室を出たあと。

熱い頬に手の甲をあてる。


……心臓がドキドキして落ち着かない



「……奏まだかな」



はやくホッとしたい。


やっぱりどっかで待ち合わせした方がよかったな。

さっき【空が行くわ】って送信したら、【俺が行く】って返ってきて、まぁいっかって思って待ってるけど、いま考えたら普通に空が行ったほうがいいに決まってるじゃん。

前の学校のほうが家から近いんだから。

ぐだぐだ頭の中で考えていると、また教室のドアが開いた。


え?!また先生?!



「オカン部活は?」



とっさにケータイで顔を隠す。


はい……?……おかん……?


てゆうかこの声って……


天然ちゃんと、彼氏のイケメン。

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