涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


「ね、いない?」



首をかしげる姿で完全に重なった。



ーー『奏くんの連絡先おしえてっおねがいっ』


『奏くんに青笑さんと私は友達なんだって言ってくれない?』

『奏くんが好きなの』

『幼なじみなんて羨ましい』

『あんたがひとりぼっちだから奏くんがそばにいてあげてるだけでしょ』

『男に媚びるなんてサイテー』



ーー「噂で聞いたことあるんだけど、青笑さんの前の学校に金髪のイケメンがいるってほんと?!」



ドクッと、怒りに似た恐怖が脈打つ。



「……うん」


「きゃーっほんとだったんだ!」

「写真でしか見たことないんだよね!」



写真って……?

ちゃんと奏にいいよって言われて撮ったやつ?

それとも、盗撮?



「青笑さんおねがい!もし知ってたらその人の連絡先教えて!それか会わせてー!」

「あははっ、彼氏ほしくて必死なのうける」

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