涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
ーー『いいんだよ、いいよ』
『もっと自由でいいんだよ』
たとえ空がここを逃げ出しても、めちゃくちゃなことを言っても許してくれる。
もう分かってる。りょうたはそういう人だ。
空が選んでいいよって、選択と自由をくれる。
なのになんでかな、足がどこにも動かない。
「っ……ごめん、ね」
自然と口から溢れ出た。
いろんなものが雑ざって、最終的にたどり着くのはいつも。
「……ごめん」
どうすればいいのか分からなくて、なんて言えばいいか分からなくて、言葉が詰まって。
許されたくて、不安でこわくて、でも言うたびもっと不安になって。
なのに、何回も何回も、言いたくなる。
「っご、」
「ありがとう」
え……?
目が合って初めて、自分がひどく俯いていたことを知った。
「ありがとう。青笑さん」
「正直すっげぇ眠たくて授業サボりたかったから」
「……でもひとりはやっぱり寂しいじゃん?」
「だから青笑さんを道連れにしてみた」