涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。


空が傷つけた。



「…………」



自分に失望しすぎて、もうなんか笑えてくる。

自分だけが傷つけられたと勘違いしてバカだ。

被害者面して、知らずしらずのうちに人を傷つけて最低じゃん。

最低だって思うことを今まで平気でやってたんだ空は。


……大嫌い……自分が一番……信じられない



「……っ」



ぼやけた視界の真っ直ぐ、焦ったようにりょうたが立ち上がった。

どうしよう、なにこれ分かんない……どうやったらとまるの……どうやったらとめられんの……?

目を逸らしても逸しきれない。


迷惑だって思われる。

いつまで泣いてんだって思われる。

どうしよう見られてるの恥ずかしい、どうしよ……っ



「あは、ごめん大丈夫大丈夫、ふはっ……ごめん、ごめ」



ぜんぶどうすればいいか分からなくて、なんて言えばいいのか分からなくて背を向けた。

あてもなく一歩足を前に動かしたとき、冷たい手がぎゅっと、私の手をつかんで引き寄せる。



「泣いていいんだよ」

「思いっきり泣いていいんだよ」

「ぜんぶ我慢しなくていい……怖いなら怖いって、言っていいんだよ青笑さん」


「…………言って……」


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