涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。




「俺ねてた……?」

「……うん」

「まじか……」



狭いスペースにふたりで座り込み、ひそひそ会話。

まるで秘密基地で内緒話をしているみたい。


りょうたは、どこか嬉しそうにあくびをした。


……まだ眠いんかい



「寝るの好きなの?」

「え?」

「や、……よく寝てるから」



授業中も、映画んときも寝てたし。うなされてたけど……


一瞬りょうたの表情が曇って焦る。

聞かれたくないことだったのかもしれない。



「あー、だねっ」



りょうたは吹き飛ばすように笑った。



「あ。……無理に話さなくて、いい」



言ったあとで頬が熱くなる。


……りょうたみたいなこと言っちゃった

あー……うつった。


なんとなく小っ恥ずかしくて縮こまっていると、柔らかな笑い声が耳に届く。



「ありがと」



顔をあげると優しく微笑まれ、顔が熱い。



「久しぶりに幸せな夢を見た」



りょうたがなにもない天井を見上げて言う。

しあわせなゆめって



「どんな夢?」



聞くと、それを思い浮かべるように、りょうたは口の端を緩ませた。

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