涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
「大切な友達が、……ちょっと口喧嘩して、」
頭の中で二人の人物がもくもくと現れる。
大切な友達と聞いて思い浮かんだのは、あの黒髪イケメンと三編み天然ちゃん。
なぜだか分からないけど、ぜったいそうだと思った。
「それを、俺が見守ってて、」
「ほんとはお互いがお互いを想いすぎて、それがうまく伝わらなくてすれ違ってるだけなのになあ……とか微笑ましく思いながら」
「それで、俺がちょっとふたりの相談にのったりして、はなし聞いて、……なのにいつの間にか、かってに仲直りしてて…………」
「そんなおもしろい夢!」
最後の一瞬。りょうたの顔が寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。
人が喧嘩して仲直りするのが幸せだなんて、
「りょうたはやっぱり、優しいね」
少しの間が空いた。
「そうかな。……俺は青笑さんのほうが優しいと思うよ」
「は?……あ。ごめん……」
「んふふっ、そういうとこ好きだな」
「っっ?!」
突然聞こえてきた恥ずかしい響きに身体がビクッと飛び跳ねる。
「すごくいい」