涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
「……?」
りょうたは一度目を伏せてから、空を高く見上げた。
「妹みたいで、とにかくかわいい」
「でも外見によらず強くて、すっごく努力家で何事もいっしょうけんめい」
「笑顔が天使」
ひとつひとつ、大切でしかたないものを数えるように。
「……ふぅん」
「……ウサギに見える」
「わかるかも」
りょうたと目があい、笑いあう。
「好きなんだね」
「ふたりのこと」
「……好きだね」
「すごい好きかも」
そう言って笑う横顔は、すっごく幸せそうで、苦しそうだった。
冷えすぎたタオルが、指先をかじかむ。