ただ愛してるだけ
無事、リハーサルが終わって、帰りの時間になった。

「今日もお疲れ様ね。」

迎えに来てくれた律子さんの顔を見て、ほっとする。

長年一緒にいる人は、やっぱり安心するわ。

「待って、今行く。」

律子さんの後を追って、ビルの地下にある駐車場を目指す。

「どうだった?リハーサル。」

「うん。面白かった。」

「面白い?」

私がクスクス笑い始めると、前の方から視線を感じた。


胸がドキッとする。

あれは……慶人君?

私を待ってくれているの?

まさかね。


そのまさかが、現実になった。

「夕陽さん!」

慶人君が、車の前で私の名前を呼んだのだ。


「えっ……彼、skyblueの……」

「律子さん、ごめん。」

律子さんがそう言った瞬間、私の体が瞬時に動いた。
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