ただ愛してるだけ
「へえ。じゃあまだ、マネージャーさん以外では、俺しか知らないんだ。」

「そうね。」

「嬉しい。」

そう言って、鼻に手を当てた彼は、宝箱を見つけたような、顔をしていた。

思わず、笑ってしまう。

「なに?」

「ううん。慶人君って、こんなに面白い人だと思っていなかったから。」



そして、胸がまたドキドキしてきた。

こんな事言ったら、迷惑かしら。

でも正直な気持ち。


「……また、会いたいな。」

「会えるよ。」

彼は、迷う事なくそう答えた。

「いつ?」

「いつでも。」


冷静になってよく考えてみたら、私もドラマの収録で忙しいし。

彼もライブやテレビ収録で、忙しいはず。

「なーんてね。お互い忙しいから、難しいわよ。」

「俺が、夕陽さんの家に、通うよ。」
< 19 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop