ただ愛してるだけ
「じゃあ、今からって事?」

「そう、かも。」

私は、舞台袖から彼の事を見つめた。

グループのメンバーと、楽しそうに話している。


「果たして、恋愛に発展する時間は、あるかしらね。」

「えっ?」

律子さんは、腕組をして、顎で彼の事を指した。

「これからまた、取材の仕事入っているらしいわよ。」

私は、はぁっとため息をついた。

「慶人君のスケジュール、調べたの?」

「そう言う関係だって知ったら、マネージャーは誰でもするわよ。」

何もかもが、がんじがらめになっているみたいで、窮屈だった。


「それは、私と慶人君次第でしょ。」

「それはそうね。でもね、」

私は律子さんを止めた。

「今は、見守って。」

「あっ、いや、ちょっと!」

律子さんが止めるのも聞かず、私は彼に近づいた。
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