ただ愛してるだけ
シャワーを浴びる事だけは、許してくれた。

律子さんがリビングでくつろいでいる間に、私は寝室のドアを開けた。

「夕……」

「しー」

私は唇に手を当てた。

「シャワーを浴びる時間はもらったから、一緒に来て。」

「えっ……一緒に浴びていいの?」

「時間がないのよ。」

ああ、本当にムードのかけらもない女。

これじゃあ、慶人君もがっかりよね。


律子さんにバレないように、二人で寝室を出て、バスルームに直行した。

「早く脱いで。」

「はい。」

慶人君は、私の言う事を真面目に聞いてくれる。

いい子だー!

服を脱いで、慶人君と一緒に、バスルームに入った。

「夕陽さんの家、バスルーム広い。」

「それが気に入って、借りたのよ。」

ああ、本当。

これぐらいは許して。

律子さん!!
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