ただ愛してるだけ
なんだか、嬉しい。

はっきり言ってくれる男の人って、カッコいいわよね。

「そう、分かったわ。とりあえず、仕事へ行く準備してちょうだい。」

「はーい。」

私は手を挙げると、自分の部屋へ行った。

まさか昨日と同じ服を着る事もできず、新しい服を着る。


「夕陽さん。」

部屋のドアに、慶人君がもたれかかっていた。

「俺、行くね。」

「うん。」

恋人になった朝も、ゆっくりできないなんて。

せめて、キスだけでも。

私は、慶人君に近づくと、彼にキスをした。

「また来るよ。」

「待ってる。」

そう言って彼は、家を出て行った。


「夕陽、行くわよ。」

「はいはい。」

律子さんに促されて、私達も家を出る。

彼女の車に乗って、しばらくした頃だ。

「夕陽。こうなってしまってから言うのも、なんだけど。私はこの恋愛、反対よ。」
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