ただ愛してるだけ
「どうしたの?こんなところまで来て。」

「ごめん。迷惑だとは思っているんだけど。どうしても、夕陽さんに伝えたい事があって。」

「えっ……」

慶人君の真っすぐな瞳に、理性が吹っ飛びそうだ。

「う、うん。」

取り合えず、彼の話を聞いて。

理性が、私にそう言っている。


「夕陽さん。俺は……」

慶人君の瞳を見つめた。

「あなたと、ずっと一緒にいたい。」

胸が、ドキンとなる。

「マネージャーさんに言われたよ。本気で、付き合う気持ちがあるのかって。」

「えっ?」


まさか。

私が部屋で着替えている時!

律子さん、余計な事を!


「本気だって、答えた。あなたを幸せにしたいって。」

「慶人君……」

彼はそう言うと、私の手を握ってくれた。

「改めて、僕と付き合ってくれますか?」

「はい。」

私達は、微笑み合って、気持ちを確認したのだった。
< 39 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop