ただ愛してるだけ

「慶人君は、そんな人じゃないわよ。」

「あら、どうして会って間もないのに、そんな事言えるのかしら。」

「恋愛は、時間じゃないわ。」

これ、慶人君の受け売り。

確かに盛り上がった恋は、時間なんて関係ないわね。


「さあ、今日も仕事よ。」

「はーい。」

撮影現場について、駐車場に入る入り口が見えた時だ。

「あら？何かしら。」

取材陣が、たくさん来ていた。

「誰かが、問題でも起こしたのかしら。」

律子さんが慌てずにゆっくりと、駐車場に入った時だ。

その取材陣が、律子さんの車を追いかけてきたのだ。

「えっ？なに？」

あっという間に、車は取り囲まれた。

「夕陽。あなた、写真撮られた？」

「慶人君と？撮られてないと思うけれど……」

「いいわ。撮影に遅れちゃう。」