あなたの隣で ~短編集~
偶然入ったコンビニのレジをしていた彼に一目惚れした。


それから何となく、毎日通うようになった。


 彼はアルバイトをしているらしく、名札に名前が書いてあったので、名前だけは勝手に覚えてしまった。


「本当好きだねー彼のこと」


友達にそう言われても話しかける勇気なんてないし、所詮叶わぬ恋なのだろうか。



 この恋を諦めるか迷っていたある日。


「レジ袋に、おまけ入れときました」


私が1人でコンビニに行くと、彼はレジでそんな謎の言葉をかけてきた。


なんのことが分からずにコンビニを出てから中を確認すると、紙が一枚入っていた。


それには某メッセージアプリのIDと、彼の名前が。


慌てて振り返って中にいる彼を見ると、彼は他の人の会計をしていて私には気づいていなかった。



 その後、私は彼と連絡するようになり、今では二人で手を繋いでコンビニに行っている。
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