ショートシアター
花粉症
「はっ…はっ…
はっぶぇいくしゅん!!」
「ちょっと、大丈夫ー?」
“ホラッ”とグズグズ鼻水がでるアタシにポケットティッシュをくれる八重
「あ゛りがどー」
四つも持ってきたアタシのティッシュは使い果たし、さらに八重のまで使い果たしていくアタシ
「う゛ー、春なんて嫌いだー」
鼻水は止まらないし鼻は赤くなるし、目も痒くなるは涙は出るわで、充血するし!!
「牡丹、今年も花見無理そう?」
「うん、ゴメン…」
シュンとうなだれているとまた鼻水が垂れてきた
「わっわっ…八重ティッシュちょーだい!」
「えぇ!私もうないよ?」
「しょ、しょんな…」
「はい、これ全部あげるから使って?」
そう言って渡してくれたのは初めて見る先輩だった
「いーんですか!?ありがとうございます!!」
ご好意に甘えて思いっきり鼻をカムとその先輩はクスクス笑って
「あと、キシリトールの飴やガムを口に含むといいよ
せっかく綺麗に咲く桜は見ないと損だよ?」
花粉症
(新しい恋の予感?)
(何かさっきのめっちゃ胸キュン!!)
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