ショートシアター
飴王子


「ねぇ、皐月は甘いモノが好きなの?」

昼休み、お気に入りの中庭で棒付き飴を転がしながらひなたぼっこをしている最中の皐月に、いつも気になっていたことを聞いてみた

「…そういうわけではないよ」


ちょうど飴がなくなったのか、今度は棒がない飴を口に含みながら答えた



「いやいやいや、


アンタのポッケにはどんだけ飴が入ってんのさ?」


この昼休みに飴を口に含んだ回数がこれで五個目(しかも全部違う種類)


甘いモノが好きじゃなかったらそんなに一気には食べないモノでしょ?




「…うーん、



甘すぎるのは嫌だし、甘く無さすぎるのも嫌だし。



飴の甘さがちょうどいいんだよ」






そーですか







     飴王子
     「ただし飴でも甘いだけじゃ嫌なんだけどね」
     「黙ってればかっこいいのに、もったいない」





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